お弁当屋の横で吸ったたばこは、いつもより味がした、けど、美味しくなかった。

やりたいことはたくさんある。行きたい場所もたくさんある。

でもいつも、帰るとぼくは、服を脱ぐ横になる、目を閉じる。

目を閉じながら、思い浮かんでることを歌詞にして、目を閉じながら、頭の中で作曲したい。そんなスキルがないのが、今いちばんくやしい。

やりたいことはたくさんあって、やる時間もないわけないのに、ぼーっと生きてるといつの間にか、生きる意味までぼーっとしてきて、このまま生きるなんてたやすいけど、たやすい人生に意味なんて、ってかんがえて、また焦燥感と不安と後悔が襲ってきて、でもやっぱできなくて。

 

やりたいことはやっぱり大変で、口だけなのはしょうがないとか他人が言ってたらやれよっていうけど、一歩考えると実は自分で、友達せめてるひまなんてなくて、自分がやらないから言ってるかも、ほんとはわかっているのに今日も、明日もいつもの繰り返し。

 

そろそろほんとにやらなきゃまずいて、まずいて何がまずいか考えて、後回しにしちゃうぼくは馬鹿だ。今更だけどまだ、間に合うかな。

 

アニメ見て、ないて、友達と電話してゲームして。

くだらない休日は、戻ってこない。いまさら高校生に戻りたくたって、青春は二度と送れやしない。もう二度とできなくなるまで気づけないのは当然だと認めたい。いまからできる青春だってある、でもそれは、あの時とは別物。今できることは今できることで、ないものねだりはいつだって、二度と手に入らないから特別で。

何回言われたってわからない。理解はできても感じやしない。

 

つまらないことばっかしたくない。くだらないことしかできちゃいないのに。

ライブに行きたくないことも、コピーバンドがくだらないことも、全部全部全部、自分が悪い。悪くはないけど、くだらない。

 

他人が書いた歌詞に共感、同感しても、それが自分にかわることはないし、自分の言葉を残すのに、他人の言葉なんて借りたくないし。

そんなの無理だしわかってるって、でもそれでも、自分の言葉で、自分の思いを、自分で完結して、形にして残したい。

 

 

 

弁当屋さんの横で、今日、初めてタバコを吸った。

今まで何度も通って、顔も覚えられたおっちゃんに、毎度ありがとうと言われる人に、タバコを吸ってる姿を見られるのが、なんとなく嫌で、ちょっと隠れて吸ったけど、隠して吸うたばこは美味しくなくて、罪悪感と後悔の味もちょっぴりあった。

 

もう、あそこでタバコを吸うことはないけど、今日、吸ったたばこの味には後悔してない。