いろんな曲があるけど

自分の好きな曲がどれくらいあるか、数えたことがない。今数えてみても、きっとそれは、今まで好きになった曲全ては含まれないだろうし、出てこない曲でも、好きなことに変わりはないと思う。

一度好きになったものが嫌いになることはない、と思う。僕は。

王道がなくなる恐怖を最近は感じるようになってきた。この中の王道は、自分の中での王道。

年齢を一つずつ、意識して増やしているうちに、聴いた曲は無意識に莫大な数になってる。

jpop、の中でもより狭いアイドルソング、の中でも多彩なジャンルを歌い上げるももクロの曲が、あの頃の僕の全てだった。akbや、ほとんど聞いたことないけどモー娘みたいな曲がアイドルソングの王道だと考えていた僕は、曲のジャンルが広いももクロをきいてるだけで満足していたのか、他のアーティストの曲は全然知らなかった。

それが変わったのは、いつか覚えていない。

いつからか、膨大な世界に目を向けるようになり、その世界で、様々なことを知って、経験した。

最初は、というより最近まで、その世界での経験の中に、感情はあまり混じってなかったように思う。

感動する曲を、感動すると理解できるし、楽しい曲を、楽しいと理解し、実際に楽しかったこともある。

それでも、僕の中の感情はそこまで、外に対して興味を向けていなかったし、そういうものなんだと思ってた。

 

感情を止めていたのは、嫉妬心という名の見えない壁だった。

今思えば、あの時も、あの時も、いい曲を聴いていたときは、もしかしてずっと、嫉妬していたんだろう。

自分のほうがいい曲を、いい詩を書けると思って今まで生きて、いや、たぶんこれからもそう続けると思う。

今まで、何回も曲を自作しようと挑戦し、そのたびに投げ出してきた。

自分が情けないし、それ故に曲を作れる人は一様に尊敬している。

でも。それでも僕は、曲作りを諦めない。

 

自分の思いを完璧に残したいと、思わなくなるまでは。