音が思いつかない
曲を作って、自分の思いを、何かを、形にしたいと思った。
書きたい、形にしたいものは決まった。
でも。それに合う音が、ないような気がする。
頭の中でイメージするものに、あてはまる音が、ピンとくる音がなく、そうなると、頭の中にあるものは、実際に音なのかすら分からなくなる。
きっと、音のイメージではない。
音はできておらず、ただ漠然とした、言葉にすらならない、塊のようなものが浮かんでいるだけで、そこには色がついていない。
だから、音のイメージを白だと思っているのかも。
ただ、ここからいくらイメージを、音を想像してみても、真っ白で、淡々と続く、自身の語彙では表現できないほど稚拙なものしか、出てこない。
音にできない、のかもしれない。
そんなことあるか、と思ってしまうが、とても曲にできるほど、充実したものではなさそうだし、つまらないものができてしまったら、とても悲しくなる。才能がないことは、自身で認めていても、他人に指摘されたくない。
自分で気づいていることを、他人に言われても意味がないと思う。
他人に言われて、それにはっとして、確かに、と思うことは、どうにもおかしい気がする。
それまで気にしてすらいなかった、無意識の中にあったものが、どうにも重要であるとは思えない。
ただ、重要なものは、決して変わらないわけじゃない。
言われて気づき、認識が変わり、世界が変わる。
実験なのか、人生なのか、どっちでもいいし、どっちも変わらない。
でも、心はそれを許してくれず、情はそれを、解き放つことを認めようとしない。
生きる意味が分からなくてもがくことを、自殺は解放してくれないし、救いの手はいつまでも見えない。
つまらないことだが、そういうものであると、思っている。